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紅南小学校では、プログラミング教育の実践を総合的な学習の時間に実施し、学校全体としてプログラミング教育実践のあり方について研究しています。
特に、プログラミングそのものの学習ではなく、体験活動を通したプログラミング的思考の育成を目指しています。
本校では,プログラミング的思考を「分解」「組み合わせ(順次・繰り返し・条件分岐)」「抽象化」「一般化」「評価・分析」の5つと捉えています。
フィジカル教材を用いた体験学習で得たプログラミング的思考は、各教科で生かされ、学びを深めると考えています。また、各教科で培ったプログラミング的思考を体験学習にフィードバックさせることを大切に、プログラミング教育を推進しています。
紅南小学校 主幹教諭 長坂文彦先生へ直撃インタビュー︕
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小学3年生でRootを選定した理由
紅南小学校の教室には電子黒板xSync Board、授業支援ソフトxSync Classroom、実物投影機 L-1exが導入されており、子どもたちは1人1台のノートパソコンを活用中です。Rootは、フィジカルプログラミング初心者の3年生に適していると判断し、選定しました。授業では、Rootをプログラミングを考えるために活用し、
xSync Classroomは手順を示したり、考え方をシェアするために組み合わせて活用しました。
本校では、北海道教育委員会の指定を受け、プログラミング教育の研究に3年間取り組んでいます。初年度は、「まずやってみる」をテーマにランダムな実践をしました。2年目は、フィジカル教材を総合的な学習の時間に取り扱い、単元の指導計画を作成し、教育課程へ位置付ける研究を行いました。そこで、3年生から6年生および特別支援学級において、それぞれに適したフィジカル教材を選定し、体験を中心とした実践にあたっています。4年生はブロック型、5年生は自動車型、6年生はドローン、特別支援学級はPCレス、のように、それぞれの発達段階に合わせた教材を学習で取り扱っています。
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目的地までの最短ルートを考える
先生から電子黒板xSync Boardへ「目的地まで動かすプログラミングを考えよう」と課題を提示します。画面に表示されたマス目を使い、スタートとゴール地点と、通ってはいけないマスを×で示し、子どもたちはスタートからゴールまでの最短ルートを個々人で考えます。授業支援ソフトxSync Classroomの巡回機能を使い、子どもたち全員のノートパソコンをリアルタイムで一覧に表示することで、先生は子どもたちが考えたルートの進捗を確認する事もできました。
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アプリ上でプログラムを作る
STEP1で考えたルートをアイロボット社ホームページ内のコーディングページ、「iRobot Coding」よりコーディングします。iRobot Codingはレベル1~3まで、子どもたちの習熟度に合わせて使えます。今回は初心者用のビジュアルプログラミングが行えるレベル1でコーディングしました。先生は子どもたちのプログラムの進捗度に応じて、プログラミング的思考を促す声がけを行いました。
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よりよいルートを考える
電子黒板xSync Boardへ発表者のプログラムを映し出し、クラス全員の意見をシェアして、意見交流を行いました。意見交流の際には、ポイントを大きく映し出し、発表者の子どもたちが工夫した点などを紹介しながら、クラス全員の意見を出しやすくしました。
発表者のプログラムより、ループのブロックを映し、プログラミング的思考のひとつである「組み合わせ(繰り返し)」の考え方について学習しました。
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プログラミングロボットRootを動かして実践する
班ごとに話し合ったプログラムを使ってRoot本体を動かしてみました。うまくいかない場合は、どうすれば良いのかを話し合いながら、子どもたち自身がプログラムに修正を加え、最適なルートでゴールにたどり着けるプログラムへと修正していきました。
ここで、プログラミング的思考のひとつ「評価・分析」について学習しました。
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実際に活用した感想
単元の指導計画を立てている段階からのねらい通り、3年生に適合した教材だと感じました。子どもたちは「るーとちゃん」と親しみをこめて教材を呼び、楽しんで学習を進めることができました。また、教材の大きさがちょうどよく、子どもたちにはとても扱いやすかったです。今回は3年生の授業実践でしたが、他の学年で実践する場合、絵を描く機能や壁を這う機能を使用し、「多様性」を重視した実践ができそうだと感じました。
機器構成
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