国民保護や災害対策へ迅速に対応するためにオペレーション力を強化
宮崎県 総務部 危機管理局 危機管理課では、災害時に次々と集まる情報を地理情報システム(GIS)と連携させて集約し、オペレーション力を強化するために、ディスカッションテーブル「ELMO DXテーブル」を導入した。2017年8月には南海トラフ地震を想定した防災訓練で「ELMO DXテーブル」を初めて活用したのに続き、2018年2月には県内でのテロを念頭においた国民保護訓練の際にも使用し、有事に迅速に対応できるように備えている。
災害時や国民保護のための情報共有の課題
紙の地図への情報集約はスペースに限界
災害や緊急時には、地図に情報を集約するが、紙ベースでは物理的なスペースの制限があるため、次々に集まる情報を見落とさないように表示することが難しい。
次々に情報が届くため重要度の判断が困難
紙ベースでは情報を新着順・優先度順などを、状況に合わせて並び替えることが難しく、対応漏れや情報錯綜といった事態が発生する恐れがある。
消防、警察など外部機関と情報共有しにくい
紙ベースの地図やホワイトボードに集められた情報は、現地でしか確認できず、情報を共有すべき外部機関と連携できない。外部機関でも同様に紙ベースの集約を行うと、情報の行き違いが発生することも。
「ELMO DXテーブル」でこう解決!
地理情報システム(GIS)に写真やテキストの情報を集約
県庁が作成した地図情報アプリに、各所から情報を入力すると対策室の「ELMO DXテーブル」の地図にアイコンが表示さる。そのアイコンをクリックすると写真や文字情報が表示されるため、物理的なスペースの制約がない。
「ELMO DXテーブル」の画面上に表示された地図に、テキスト・画像の情報が集約される。タッチパネル画面で、表示内容をスピーディーに切り替えることができるため、掲示場所に移動しなくても、その場で情報の把握、整理が可能に。
最新の情報がひと目でわかりプライオリティが明確に
地図上の同一個所に寄せられた情報は時系列で表示され、最新情報には「NEW」の文字を表示。書き込みができるため、重要度の高い情報を目立たせることもできる。
時系列に情報表示ができるので、古い情報に振り回されることなく、迅速な指示を出すことが可能。タッチパネルを指で操作して、情報や地図を拡大、縮小したり、指で書き込みができ、視覚的な情報把握がしやすくなる。
同じ画面を外部機関に表示しリアルタイムで正確に情報共有
対策室の「ELMO DXテーブル」で集約、整理した情報を、リアルタイムで遠隔の電子黒板に表示。消防、警察、市役所などの外部機関との間で、正確な情報共有が可能になる。
2018年2月の国民保護訓練では、県庁の庁舎内に消防や警察、宮崎市役所を想定した部屋を設け、それぞれの部屋の電子黒板での情報共有を行った。この訓練は、遠隔地との情報収集を視野に入れた実証実験の位置付けでもあった。
「ELMO DXテーブル」選定のポイントは?
地理情報システム(GIS)と連携した情報共有が的確に行えるか?
地理情報システムによる地図情報と、随時届く文字情報や画像を連携できること。
- 関係各所のPCから入力された情報を、「ELMO DXテーブル」上の地図にリンクさせて集約し、視覚的な情報把握が可能
紙ベースでのカードオペレーション以上の効果が発揮できるか?
紙ベースの運用では、情報をカードに書き込んで集約、整理を行っていたが、情報の俯瞰が容易にできること。
- 複数のカードをタッチパネル上に同時に表示し、俯瞰・比較が可能
- 指の操作によりカードの拡大、縮小、切り替えや書き込みも可能
実際に行った対応の振り返りができるか?
訓練や実際の有事での対応を、後から振り返ることで改善につなげられること。
- 地図情報、文字情報などのデータを保存し、時系列での対応状況を振り返って精査することが可能
お客様の声
有事の際の初動に欠かせない地図情報ベースでの情報集約
宮崎県総務部 危機管理局危機管理課 危機管理担当主幹 米満 義人 氏
2017年8月に南海トラフ地震を想定した訓練で初めて「ELMO DXテーブル」を活用し、2018年2月には宮崎駅周辺で不審物が発見されるというシナリオでの国民保護のための訓練でも「ELMO DXテーブル」がどのように使えるかの実証実験を行いました。
従来は、災害対策本部に紙ベースの大きな地図を準備し、随時寄せられた情報をホワイトボードに手書きしたり、紙の地図上に情報を書き込んだり付箋紙を貼って情報を集約するという運用を行っていました。
しかし、どの情報が最新なのか、重要な情報はどれなのかといった判断ができなかったり、地図上の情報とホワイトボード上の情報にタイムラグや相違が生じることで、情報の錯綜の原因となり、一刻を争う緊急時だけに、判断の誤りにつながる恐れがありました。
「ELMO DXテーブル」は地理情報システム(GIS)の地図情報に文字情報などを集約でき、大型モニタと連携して大勢の関係者が同時に視覚的な情報を共有できます。
2回の訓練を通し、各部署や関係機関が収集した情報を共有するためのシステムと併せて「ELMO DXテーブル」を活用することで、緊急時に有効に情報共有できることを実感できました。
宮崎県庁様における「ELMO DXテーブル」の活用法
宮崎県庁では危機管理のために「ELMO DXテーブル」を導入し、有事に備え度々大規模な訓練を行っている。2020年には県災害対策本部や県議会災害等対策協議会をはじめ、国、自衛隊、消防、警察等関係機関の活動スペースを確保した新たな防災庁舎が完成した。
2020年に新たに防災庁舎を整備
「いかなる災害が起きても機能し続ける」ことをコンセプトに計画・建設された防災庁舎が2020年に完成。「ELMO DXテーブル」と大画面モニタを連携させ、災害へ迅速かつ的確に対応できるような体制を整えた。
2018年2月実施の大規模訓練の様子
関連リンク
「危機管理の総合調整」「防災行政の企画及び総合調整」「災害対策」「危機管理に係るマニュアル及び訓練の実施」「国民保護」などを業務としている。 南海トラフ地震や新燃岳の警戒レベルについての情報発信なども行なっている。
- 組織名
- 宮崎県庁 様
- 住所
- 宮崎県宮崎市橘通東2丁目10番1号
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