理科教育法の時間を活用して
学生にプログラミングの学びの時間を
2022年度から富山大学では、人間発達科学部が教育学部共同教員養成課程となりました。
学生には、小学校など教育現場に出た際に児童生徒と関わり、教員として役立つ実践力を大学生活や講義の中で学んでいってほしいと思っています。
今回は小学校教員免許取得を目指す理科教育法の講義の時間の中で、プログラミングロボット「Root」を活用しました。プログラミングを体験し、実際にロボットに触って動かすことで、学生が小学校理科授業で取り組むプログラミング教育について考える機会としたいと思い、今回の出張授業の依頼に至りました。
今後も理科教育法の授業の中で、プログラミング教育や電子黒板等のICT機器活用についての授業を行っていく予定です。
富山大学教育学部 月僧先生へ 直撃インタビュー! ▼▼▼
富山大学教育学部
准教授
月僧 秀弥 先生
学生たちはプログラミング教育とは何かについて
ロボットを動かしながら体験することができました。
GIGAスクール構想についての講義に繋がる形での出張授業
富山大学には、約80名の小学校教員免許取得を目指す学生がいますが、今回は3年生30名を対象に行っている理科教育法の講義の中で、Rootを活用したプログラミング教育の出張授業を行いました。
どの学生も実際にプログラミングを体験できるよう、2人に一台のRootを準備しました。スマホやタブレットを用いたプログラミングを専用アプリ「iRobot Coding」にて体験し、プログラミング教育が実感できるように工夫した事で、学生は試行錯誤してプログラミングに取り組めました。
また、この授業では、プログラミングをしてRootが動く様子を動画で撮影し、それを提出することで作品提出としました。動画の作品を提出したことによって、学生同士が作ったプログラムを共有し、お互いの作品をタブレットを使って確認することができます。
そして、この授業の後半ではGIGAスクール構想が進む中での学校におけるタブレットの利用方法や変化、配慮について話しました。講義の中にプログラミングの体験活動を取り入れることで、学生にとってプログラミングを学ぶとてもよい機会となりました。
プログラミングロボットRootを使ってLEDを活用した複合プログラムをつくろう
STEP 1移動ブロックとペンをおろすブロックを使って図形を描こう
Rootの動かし方の簡単な説明を聞いた後、学生たちは移動のブロックとペンを下ろすブロックを使い、ペンでホワイトボードに軌跡を描きました。
複雑な図形を描いたり、キャラクターを模した形を描いたりと、すぐにRootの操作に慣れた学生たちは、どんどん新しい試みに挑戦していました。中にはiRobot Coding のレベルを自分で操作し、レベル2のブロックで自発的に取り組む学生もいました。
レベル1のブロックはイラストのブロックであり、並べるだけで簡単にプログラミングができるのに対し、レベル2では、ブロックとテキストを組み合わせることで、条件分岐や変数、数値の入力など、できることも広がります。
STEP 2STEP1とLEDの点灯などを組み合わせた複合プログラムをつくろう
STEP1のプログラミング体験を終えた学生たちに理科の教科書の一部を見せ、事前に提示した理科でのプログラミング教育に絡め、LEDライトの点灯を盛り込んだ複合プログラムの作成に取り組みました。
学生たちが特にプログラムに取り入れたのは音楽で、「かえるのうた」や「チューリップ」などの曲をプログラムで奏でながら、LEDライトを光らせたり図形を描いたりと、複雑なプログラムでRootを動かしていました。
STEP 3活動したプログラムの共有と動画撮影を行い、活動の記録をとろう
プログラミングを行ってRootを動かす授業はとても楽しく、学生は次々にいろいろな機能を使いたいと考え、作業に取り組んでいました。そこで、学生が動画の提出を行うことで、この授業の中での成果や作品を共有しました。
また、学生にプログラムで動くRootを撮影させるだけではなく、iRobot Codingのプログラム共有機能を使って5文字のコードを記録させました。このことにより、動画だけでなく、作成したプログラムも共有できるようにしました。
体験した学生の感想
- 今回のように子供たちに教える前に教材を体験すると、先入観を払拭でき、自信をもって授業に臨める。何よりも教材を楽しいと思えたのが嬉しかった。
- 「プログラミング学習」と聞くと難しく感じる部分があったが、実際に体験すると取り組みやすく楽しかったのでイメージが変わった。楽しい中でも、思考力を働かせる学習になると思った。
- 自分が入力したプログラムが反映され、目の前のRootを動かす楽しさを味わうことができた。試行錯誤を繰り返すことで少しずつ思ったように動かすことができるようになるのが楽しく思った。
- 一人で活動するのも楽しいし、友達と活動すれば新たなひらめきも出てくる。色々なパターンを考えて試行錯誤しながらプログラミングを学習することができる、Rootはとてもよい教材だと思った。